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#59

決断できない日本

ケビン・メア 文藝春秋 (2011)

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 知り合いの方がおすすめしてましたので読んでみました。

 ケビン氏は「沖縄はゆすりの名人」と発言したとしてアメリカ国務省高官を更迭されたことで話題になりました。
 えらいこと言うアメリカ人がいるもんだとそのときは思ってましたが、この本では某通信社の記者が歪曲して報道したとの内幕が語られてます。
 3.11の震災で発生した福島第一原発事故についてのマスメディアの報道があまりにもひどかったので、ああ、確かにそうかもね、と今になっては思います。

 ケビンさんは駐日大使館勤務から国務省日本部長になるまでの19年間、日本を見つめ続け、ズバズバと本音をぶつけ、その本音が時には日本人の反感を買い、衝突する場面がしばしばあったようです。この本でも、責任回避に固執しものごとの決断に時間がかかる日本政府の不甲斐なさについて切り込みます。ここまで言ってくれるアメリカ人の言葉に、日本人は耳を傾けるべきでしょう。

 しかし、沖縄については少し言い過ぎではないかと思うふしもある。元宜野湾市長の伊波氏と普天間基地のことでやりあったそうで、伊波氏の本を読んだことがありますが、伊波氏は主に市民の生活について考えているし、ケビン氏は国防という視点で考えている。まあ話はかみあわないだろうなあと思います。これもそもそも日本政府が沖縄をないがしろにしているところから来る問題なのです。

 ただし一方で、こんな深読みもしてしまうのです。ケビンさんは、日本との調整で、アメリカ本国にいいようにつかわれたのではないかと。
 アメリカ本国では、沖縄に海兵隊は必要ないと言っていると、何かの本で読んだことがあります。沖縄駐留はカネの匂いがするが、知ってか知らずかそれには触れない。ちょっときれいごと過ぎる?考え過ぎでしょうか。


2011-11-4

カテゴリー:政治と行政世界の社会事情と外交

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