#64
春の小川はなぜ消えたか 渋谷川にみる都市河川の歴史
田原 光泰 之潮 (2011)
「春の小川は、さらさら行くよ・・・」という歌がありますね。
たぶん小学校で習う歌ですが、そのモデルとなった川は、諸説ありますが渋谷川の支流の河骨川という川で、場所は代々木のオリンピック記念青少年総合センター付近の、小田急線沿い東側あたりだそうです。
渋谷川の水源は新宿御苑の池と四谷大木戸の玉川上水最終地点とのことで、そこから代々木・原宿の付近を抜けて、その途中途中で小さな支流をつなげながら渋谷へ流れてゆきます。
その昔はこれらの川は水田に利用されてきましたが宅地化とともに放棄され、次々に埋め立てられたり暗渠化されてゆきます。
この本では、時代とともに変化してゆく渋谷川とその仲間たちの姿をつぶさに追ってゆきます。持って実際に歩いてみると面白いと思います。
「春の小川」として唄われるような、人々を潤してきた愛すべき川たちが都市化とともに朽ち果てていく、あるいは機能だけが受け継がれて無機質な姿になっていく、その成れの果てに哀愁を感じます。
2011-11-13
カテゴリー:日本の文化と歴史