#77
てるちゃんのかお
藤井 輝明 亀澤 裕也 金の星社 (2011)
じんわりくる、とてもいい絵本です。
てるちゃんとは、この絵本の文を書いた、藤井輝明さんのことです。つまりこの絵本の内容はホントの話です。
藤井さんは小さい頃、病で顔におおきなこぶができてしまい、そのこぶとともに成長します。成長するにつれてまわりの友達からもいじめられ、落ち込んでしまいますが、お母さんが、先生や近所の人にてるちゃんのことについて話してお友達に仲良くなってもらったり、話しかけてもらったり、てるちゃんがやりたいと言った習い事をいっしょにやって共に競ったりと、その陰でてるちゃんをささえながら共に歩むのです。
てるちゃんの病について周りの人にちゃんと伝えるというお母さんの行動にとても感心しました。そしててるちゃんにお母さんが言ってきた「すきなこと、やりたいことをたくさんして、てるちゃんのいいところをいっぱいのばしていくの」という言葉はてるちゃんこと藤井さんの心の支えとなったようです。
藤井さんは今はお医者さんとして活躍されているようですが、子どもだけでなく大人も学ぶべきものが多い本です。
絵も、飾らない感じのタッチがそのストーリーに温かさを添えて好感が持てます。
2011-12-9
カテゴリー:子どもの本
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