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#126

【読書】原発に「ふるさと」を奪われて 福島県飯舘村・酪農家の叫び

長谷川 健一 宝島社

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 長谷川さんは飯舘村の酪農家です。
 福島第一原発事故で飯舘村は計画的避難区域となり、村民たちは村を追われることになりました。

 思いもかけない災難に遭い、酪農家として苦悩する姿が描かれています。
 今まで家族同様に丹念に育てていった牛たちを殺処分しなければならないつらさ、そして残った牛も何とか殺処分から逃れさせるために、牛たちに少しでも生きてもらうために、涙ながらに他の地域の酪農家に譲り渡したこと。

 次の文が、この事故に対する政府の対応がいかにひどいものかをよく表しています。 
 ・・・この前日までは、国の御用学者たちが村に入れ代わり立ち代わりやってきて「安全だ」「大丈夫だ」と吹聴し、村で住み続けることに放射線の専門家としてお墨付きを与えていたわけです。
 なのに、それをすべてなかったことにして、いきなり政府が「住み続けていては危険だから避難しろ」と言い出したのです。それも、原発の大事故発生から一カ月も過ぎてからなのです。私ばかりか、我慢強くて人のいい飯舘村の村民でさえも、さすがに、
 「人をバカにすんでねえ!」
 と一斉に怒り出しました。・・・

 少し前に、飯舘村長の菅野さんが書いた「美しい村に放射能が降った」という本を紹介しましたが、長谷川さんは、村を維持するために子どもの避難を送らせてしまった村長に対して苦言を呈しています。
 長谷川さんは、いち早く、子どもたちを避難させよと言い続けた人でもあったのです。

 原発が立地していない村なのに原発の事故でずたずたにされた村人たち。それでも政府は原発を動かしたいと思うのでしょうか。

2012-4-10

カテゴリー:原爆・原発・原子力暮らしと子育て日本の社会問題
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