#149
【読書】いのちの種を未来に
野口 勲 創森社
日本でも数少ない、固定種の野菜の種を販売する野口種苗研究所の野口さんの本です。
2カ月ほど前に、やはり野口さんが書いた「タネが危ない」という本をご紹介しましたが、固定種の種とは何なのか、とか現在日本の多くの種がF1種であることなどの現在の種事情については「タネが危ない」とダブりがあるものの、後半の固定種の野菜についての紹介はなかなか面白いです。
日本には、地域で根付いた様々な固定種の野菜がありますが、実に様々な種類があるのですね。
経済成長とともに、生産者の生産効率アップと見栄え向上による売り上げアップを図ったF1種で日本の市場に出回る野菜は占拠されるわけですが、野口種苗研究所で扱う種を中心に、固定種の野菜それぞれの紹介に後半を割きます。
固定種の野菜の種のカタログといったところでしょうか。
(実は、日本中の伝統野菜を紹介した「日本のふるさと野菜」というもっと面白そうな本も手元にあるのですが、未読のため、今後紹介させていただきたいと思います。)
一般の消費者が、代々受け継がれた固定種の野菜のおいしさを知る機会も無くなったというのは実に不幸なことであります。
ぜひ、家庭菜園を中心に復活してほしいと思います。
2012-6-8
カテゴリー:食と農