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【読書】原発危機と「東大話法」 傍観者の論理・欺瞞の言語
安冨 歩 明石書店
福島第一原発事故が起こってから、ツイッターやブログで一時期、「東大話法」という言葉が流行りました。
様々な原子力・放射線専門の先生があちこちで事故原因や放射線の危険性について説明されたようですが、その「安全」やら「問題無い」やらということについて素人を丸め込むような話法があまりにも酷く、そしてその先生方はたまたま東大卒あるいは現役東大の先生多かったのを受けて「東大話法」とどうやら名付けたようです。
ところで、その「東大話法」とは具体的にいうとどんなものか?というのをまとめたのがこの本。
まず、分かりやすく20箇条にした「東大話法規則一覧」というのが分かりやすい。
規則1 自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
規則2 自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
規則3 都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事する。
・・・
規則20までありますが、その内容にはまああきれるばかりです。
この規則について、東大卒の某有名経済学者の、原発は安全であり、今後の経済発展にいかに必要なものかといった発言を例に解説しており、それが分かりやすい。
もちろん、東大の方全てがこんな話法を用いているわけでないでしょうし、この話法は日本中あらゆる場面のいたるところで見受けられるそうですが、この話法について知ることは今後様々な分野の専門家の論説について自分なりの判断を下す一つの助けになるでしょう。
頭に「東大」と付けられてしまったのには同情しますが。
頭の良い方々は、ぜひ、「弱きを助ける」ためにその知恵を使っていただきたいものです。
2012-9-16
カテゴリー:原爆・原発・原子力/政治と行政/日本の社会問題