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【読書】人生を半分あきらめて生きる
諸富 祥彦 幻冬舎
この本は先日読んだ「ニートがひらく幸福社会ニッポン」と共通するものがあります。
いくら頑張っても報われない現代の世の中をうまく生きていく方策として「ムリをしない」という生き方があるということ。
諸富さんは、様々な「人生を半分あきらめる」方法を提案します。
理想の自分になることをあきらめる、理想的な子育てをすることをあきらめる、理想的な恋愛や結婚をあきらめる、理想的な死に方をあきらめる・・・
これは後ろ向きな生き方のようで、20〜30年前とはすっかり変わってしまった世の中をうまく生きていくのに適した前向きな生き方ともいえるといえます。
あきらめ、いろいろなものを手放すことで本当に大切なものも見えてくることがあるし、余計なことに力を入れなくてすむ。
この本のほとんどを「あきらめる」方策で占められますが、むしろ一番大事なことは一番最後に書かれている「人生を9割あきらめても、残り1割をあえて本気で生きる」にあると言っていいと思います。
本当に大切なことに全力を注ぐ。
混沌とした社会を生き抜く指針の結晶に見えました。
2012-11-25
カテゴリー:生き方/日本の社会問題