#260
本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」
前泊 博盛 創元社
コレ、日本人の「必読書」じゃないでしょうか。
日本を守ってくれるために米軍は日本に駐留していると思っている人は驚愕するのではないでしょうか。
このシリーズは高校生でも分かるようにというコンセプトだけあって、とても分かりやすい。
誰でも持ちそうな疑問でQ&A形式にして、これらの疑問に答えていきます。
日米地位協定があまりに不平等であるとはいろいろな情報で聞いてはいましたが、ここまでひどいものとは思いませんでした。
米軍は日本の入国は日本国の審査を受けずスルー、米軍人が犯罪を起こしても実質日本では裁けず、事故が起きても日本は手出しができません。こんな国は世界中どこにも無いそうです。
米軍の行動のほぼ全てに日本の法律は適用されず、アメリカの日米安保関係の条約が日本の法律よりも上位である現実。
よく日本はアメリカの51番目の州という比喩を用いられますが、アメリカ国内で守られている法でさえ日本では無関係なのですから、アメリカの州以下、というわけですね。
しかも、日本だけでなく世界中の多くの国に米軍は駐留しているようですが、各国の地位協定が改正されなかったのは日本くらい、そしてここまで問題のある不平等な取り決めも日本くらい、だそうです。
他の国は、アメリカとの粘り強い交渉で不平等は解消したり、撤退してもらっているようです。
アメリカに占領されたあのイラクでさえ、アメリカと交渉を重ねて、撤退を渋る米軍に出て行ってもらったといいます。
しかも、イラク外務省は日本に来て日米地位協定を研究していったとかで、イラクには反面教師として日本は役立ったようです。情けない限り。
「米国のおしつけ」である憲法を改正したい、と某政党は言っていますが、そんなことより実質アメリカの要求が押しつけられ、土地やカネやその他様々な権利の要求を押し通させれたままである日米地位協定を何とかして欲しいですね。
状況が似ているTPPも同じようなことになるだろうと前泊さんは言ってますが、私も異論はありません。
2013-7-7
カテゴリー:世界の社会事情と外交/政治と行政/日本の社会問題
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