#369
インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ
小林弘人 柳瀬博一 晶文社 (2015)
インターネットが普及して、世界は広がったとばかり思っていましたが、なるほど、そういう考え方もあったか、と思いました。
まず「原始人」についてですが、原始人は「顔の見える範囲が自分の把握している世界のすべてだった」が、時代を経てその範囲も広がったものの、ここにきてSNSやスマートフォンの普及で、マスメディアなどのスピーカーよりも先に個人個人が発信するようになり、人とのつながりもせいぜい10〜100人くらいになって、村人どうしであれこれ言うような、まさに原始人の状態になってしまった、と。
そんな話を皮切りに、インターネットやSNSが普及したことでこれまでとは違う人と人とのつながり、情報の発信、ビジネスのあり方が変わってきたことについて、とりとめもない会話が続きます。
この情報氾濫の中で、それをとりまとめ、形づくる人たちが先をゆく。素人が欲しいものを簡単につくり、それがあっという間にひろまってしまう。個人所有よりシェアする。新しいものより中古のものを利用する。そんな、今。
以前のような、規模の大きな企業が、声が大きいメディアが、提供するものの品質が高いメーカーが、先を進むとは限らない時代ではなくなってきたことの根拠の一つが見えてきました。
時代の変化に柔軟に対応する者が、村人たちにしゃべらせる戦略をもつ者が、情報と人をつないで素人目線で欲しくなるものを提供できる者が、先に進んでいく。
インターネットを利用して、世界中のものを組み合わせ、新しいものをつくってゆく時代。
そういえば今はインターネットの時代でした。インターネットというツールとそれを取り巻く状況の話から見ると、その世の中の変化が分かりやすくなったような気がします。
結局のところ、結論って、何だったんだろう(笑)。でもこれから向かうべき方向の種が見つかるかもしれません。もしかしたら3年後には古くなっているかもしれませんが。
2015-4-22
カテゴリー:経済・ビジネス/生き方