読書の時間 #400
子どもはみんな問題児。
中川 李枝子 新潮社 (2015)
2016-3-1
中川さんは、あの誰でも知っている有名な絵本、「ぐりとぐら」の作者。
この本の中にも、「ぐりとぐら」を始めとするかわいらしい挿絵が載っています。
長年保育士さんをしながら多くの子どもたちを見てきた中川さんならではの、子どもを見つめる暖かい眼差し。
自分たちのお母さん自慢をしたり、妄想のような作り話を体験談として話したり、大人のような気遣いをしたり。
毎日毎日子どもたちどうしで本気のつきあいをして、本気で遊んで。
主に幼児期の子どもたちのことについて書かれていますが、いくつかはもっと大きな子どもにもあてはまるものもあるでしょう。
子どもってそもそもこういうものだ!という、「子どもの生態学」のような本。
全て中川さんの実体験を元にしてますから、我が子の姿を重ねることができます。
そこから「こうしたほうがいい」という、子どもとの接し方の秘訣を、そっと導きだしてくれます。
だから、「そうか、子どもってそういうものだから、こんな困ったことしても大丈夫なんだ。」と思えます。
その心構えが、子どもをより子どもらしく成長させるのでしょう。
「もしもうちの子大丈夫かしらと心配でも、お母さんががんばる必要はないのです。子どもは所有物ではありません。人として喜ばれ、社会の一員として重んじられ、よい環境で育てられれば自ずとしっかりしていくものです。」(p.153)
(中川さんが勤めていた)保育園に勤めていなかったら「ぐりとぐら」シリーズもうまれていなかったという中川さん。
この本を読んだ後に「ぐりとぐら」を読んでみると、ぐりとぐらのお話もそれまでと少し違って感じるかもしれません。
カテゴリー:暮らしと子育て
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