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#87

裁判所での聴き取り調査

2013-2-27

ムスメとの特別養子縁組の申立て、その後。

 親子3人で来てくださいということなので、必要な書類や、ムスメのアルバムを持って、3人で裁判所へ行ってきました。

 ムスメは朝、ずいぶんとご機嫌ナナメでした。
 一足先に起きたカミさんに向かって、何で先に起きるの、おかーさんはアタシと一緒に寝てなきゃダメなんだから、などとずいぶんと子どもらしい理不尽なことをぐじゅぐじゅ言ってました。
 その後カミさんと一緒に二度寝して起きたあともまだぐじゅぐじゅ言ってるので、うーん、これから何しに行くのか、もしかしたら解っててちょっと不安感を感じてるのかなあ、などと思いました。

 まあでもそれはそのときだけで、お出かけ大好きな彼女は家を出るとドコへ行くの?と楽しみな様子でした。

 裁判所に着くと、その中の一つの部屋に通されました。
 そこは、おもちゃがいっぱいある、プレイルームのようなところ。ムスメは目を丸くして、わーっという顔をし、どれで遊んでもいいの?と聴くので、いいよ、好きなので遊びな、と言うと、さっそくおもちゃで遊び始めます。

 そしてその脇で、大人たちは大人の話。
 調査官の方にいろいろなことを聴かれました。

 私たち夫婦のそれぞれの家族のこと。里子を預かってからの里子の様子。
 預かってすぐ、何か月も毎晩のムスメの夜驚症で悩まされ、カミさんが精神的に参ってしまった様子と、夫としてなす術も無く無力感に苛まれた日々は、今でもついこの間のことのように思い出されますが、でもカミさんはそんなことはあったが苦労はほとんど忘れてしまったと言いました。
 横で聞いて、母というのは強いと思いましたね。すっかりカミさんを母として慕っている今のムスメとの生活に報われたのでしょう。

 それから現在の生活。
 聴き取り調査のお知らせが来たとき、現在ムスメとカミさんが宮崎に住み、時々関東に戻って来るという二重生活について、話そうかどうか迷っていました。
 もしかしたらその話をすることにより、半ば別居している家族の繋がりは希薄とみられ養子縁組には適さないと判断されないだろうかと思ったからでした。
 しかし、誤摩化してもいずればれるだろうし、本当のことを話した方がいいと夫婦で申し合わせてはいましたが、話す段になってカミさんは一瞬ためらい、私と目を合わせましたが、やっぱり話そうということになり話し始めました。
 すると、いろいろな話がわき出すように自然にカミさんの口から出てきて、それを横で聞いてやっぱりそれで良かった、と思いました。本当のことを話さずぎこちない口調になったらかえって怪しまれたでしょう。

 カミさんとムスメの宮崎での一日の話、私が関東で一人で暮らしているときの一日の話、そしてカミさんとムスメが関東に戻ってきた時の一日の話。ムスメが保育園に行っている時の話、その間カミさんがやっていること、私の仕事の話。

 そして最後に持ってきたアルバムを見せました。すると、そばでもくもくと一人でおもちゃで遊んでいたムスメが写真に興味を持って大人たちのところにやってきて、あーこれ〇〇などとページをめくるたびに写真についてコメントし始めました。
 調査官の方も私たちの説明やムスメのコメントに相づちを打ちながら質問されたりし、その中から七五三や運動会でのムスメのアップの写真や私の両親・カミさんの両親と写っている写真など数枚を、保育園でもらったムスメの様子の記述や母子手帳、私の源泉徴収票などとともにコピーをすると言って借りてゆきました。
 関係者からの情報公開の請求があった場合に開示するという法律があり、そのための資料にするのだそうです。

 それで今回の聴き取り調査は終わり。次は家庭訪問があるとのこと。

 裁判所を出たらムスメはやけにふざけた感じでおしゃべりし、裁判所から持ってきた何かのパンフレットをびりびり破りながら遅れてだらだらと歩いていましたが、先を歩いていた私たち夫婦が話をしながら歩いていたのが気に入らなかったらしく、急にアタシの話も聞いて!とぐずり、ぎゃんぎゃん泣き出しました。
 私たち夫婦はムスメとは親子のように暮らしても、今のところムスメは籍上はずっと一緒に暮らせる保障がある訳では無い、赤の他人。
 ムスメも大人たちの会話を横で聞きながら、自分についての、何かただ事ではない雰囲気をそれとなく感じ不安に思ったのだろうかと思ったりしました。

 見上げると、やけに青く澄み切った冬の空がありました。



カテゴリー:こどもとともに

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