#126
アタシは悪くない・・・
2014-1-3
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
この正月は隣町の私の実家で堕落した生活を送っており、骨休めするつもりがムスメの相手であまり骨休めになっていない感じもしてますが、今年はまずは何とか「家族3人で暮らす」ことを目標に、あとはそろそろ次の里子を預かるべく動き出そうかとぼんやりと考えております。
ところで、昨日ちょいと事件が。
実家の居間の棚に飾ってあった置物なんかをおもちゃ代わりに引っ張りだして遊んでいたムスメ、石でできた亀の置物で遊んでいたら、誤ってぶつけて「断首」してしまったらしく。
被害者のカメ
まあよく見たら、このとれた部分の層に沿って剥がれているので、たまたまこの層の強度が弱かったんでしょうね。
「あー、壊しちゃったの?おばあちゃんにごめんなさい言おうよ」
たまたまムスメの横にいた母が「あーら、こわしちゃったの?」と笑ってたこともあってか、ムスメに謝るよう促すもののムスメは「えへへ」と笑ってごまかします。
「もしお友だちが自分のもの壊して、謝ってくれなかったら、どう思う?」
さすがにムスメも「これは叱られてる」と気づき、「えへへ」も消えますが、口をへの字にしたまま黙っています。
「ね。わざと壊したんじゃなくても、壊してしまったことには変わりはないんだよ。ごめんなさい言おうよ」
それでも黙ったまま。
彼女には、私が知る前科がありました。
それは数ヶ月前、カミさんの妹の家に三人で遊びに行ったときのこと。
部屋の中でムスメはカミさんの妹の長男であるいとこと遊んでいましたが、ふざけてその子から三輪車で追いかけられているうちにふすまにぶつかり、穴を開けてしまいました。
その時もムスメに「ごめんなさいを言いなさい」と言いましたが、「だって」と言い訳を言い、自分のせいではないことを主張します。そのうちぎゃんぎゃん泣き出し、その場では私から謝って、ムスメの方の「けじめ」は結局うやむやになってしまいました。
これからも毎回こんなふうになあなあにしてしまうのはよろしくないと思い今回は強行策へ。私はムスメに、謝るまでは一緒に遊ばないしどこにも連れて行かないと言い放ちました。
案の定、その後ムスメは火がついたように泣き出しました。
まあその時は夜寝る時間だったこともあり、ムスメは眠かったようで、泣きながら途中で大あくびを挟んでましたから、ああこりゃだめだと思っていたらカミさんがとりあえずなだめてムスメを寝かしつけに寝室に連れて行きましたが・・・
母からは「叱るばかりでなくて、良くなるように祈ってあげたほうがいいよ」と言われました。
そうだね・・・力づくで、納得させようと思って叱るのではなく、願うという気持ちを持つことも大事なんだな・・・
*****
次の日の朝、ムスメとカミさんは一緒に起きてきました。それもムスメはずいぶん機嫌良く。
前の日のこと、寝たらすっかり、忘れたかな?
前の日ムスメの寝かしつけをしたカミさんによると、ムスメは「アタシは悪くないって感じだった」とのこと。
朝食の後。
ムスメ、来ました。
「ねーねー、おとーさん、一緒に自転車で遊ぼーよー」
「うん。おばあちゃんにごめんなさい言ったらね」
そしたら。
ムスメはもじもじして、カミさんと内緒の相談をした後、「おとーさんごめんなさい」と。
(??おとうさんごめんなさい?)
(でもとりあえず)
「うん、分かった。でも父さんにはごめんなさい言わなくていいよ。おばあちゃんにごめんなさい言いな」
「だって恥ずかしいもん」
(なんだ、恥ずかしかったのか?)
「大丈夫だよ、簡単簡単。(指を折って)ご め ん な さ い 。ほら6つ言うだけだ。恥ずかしいなら、目、つぶって言ったら?」
カミさんのそばでしばらくモジモジしていたムスメは、ついに母に言いました!
「おばあちゃん、ごめんなさい!」
母も喜んで「あらー、よく言えたね!」と言ってくれました。
ムスメも、ふふふ、と笑って、なんだかすっきりしたような顔をしてました。
なぜこういう場合にごめんなさいを言わなくてはいけないか、ムスメは理屈ではしばらく分からないでしょう。だから、理屈ではなくて「とにかく言わなくてはならないものなのだ」というふうに教えなくてはならないこともあるなあと思いました。
*****
そんなわけで、その後、午前中はムスメと自転車で近くの公園に行って遊び、午後はムスメは家の中で新聞広告をはさみで切ってセロハンテープで貼って遊んでいましたが、そこでまたまたちょっとした事件が!
使っているうちにセロハンテープの最後の一巻きが無くなって、ムスメはテープカッターから取り出そうとテープのホルダーをいじっていたら軸がずれてしまったらしく、「おとーさん直してー」というので、どれどれ、とずれた軸を戻そうと、手に持って力を入れていたら。
バキッ。
あ。
ホルダーの軸をみごと破損してしまいました。
それを見たムスメ。
にんまりと意地悪そうな顔をして。
「あー、おとーさんこわしたー!
おじーちゃーん、おとーさんがこわしたー、おとーさんがこわしたよー!!!」
ムスメが、鬼の首を取ったかのように、家中に響くデカい声で父を呼びます。
「そーだ、おとーさんが悪かった。」
何だ?とやってきた父にムスメの目の前で「おじーちゃん、こわしてゴメンナサイ」と潔く謝りましたよとうちゃんは。
ムスメはふふんって、してやったりみたいな顔してましたけどね。
でも、ムスメを叱りながら思いました。
社会の中で、本当はわざとじゃない、本当は自分のせいじゃない、でも結果的に自分が人に迷惑をかけてしまった。そんなとき、謝りもせずに知らん顔すること、謝っても言い訳ばかりすることを、自分たち大人はやっていないだろうか。子どもの手本になるような行動を、自分たち大人は取っているだろうか、と。
カテゴリー:こどもとともに