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#131

お母さんが二人いてもいいじゃない

2014-2-16

 いずれ私たち夫婦が養子縁組しようと考えながら里子を育てているうちに、私たちが心がけたことがあります。

 それは、(里子である)ムスメが「今一緒に暮らしているお父さんとお母さん」(私たち夫婦)の実の子ではないことを、ちゃんと誤摩化さず話すこと。

 里子であるムスメと昨年養子縁組する前に、児童相談所から「実の親でないことを告知しておいてください」と言われ、私たちはさっさとムスメに告知してしまいました。
 と書くともしかしたら「そんなの早くやるにこしたことないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、いずれ養子縁組をしようとする子どもへの告知をどういうタイミングでするか、どんなふうにするか、その後の子どもへの対応をどうしたらよいのか、子どもがそのことを周りに話してしまったら周りに人たちにどう対応したらよいのか、さらには告知せずに済むのならしないでおきたい、と悩む里親さんは多いのです。

 私たち夫婦は里子に知っていることはなるべく話すと決めていました(というより、事実を隠し通すのが私たち夫婦でははなっからムリと思ってた)し、ムスメに約一年半前に告知したとき(確か飲み屋にご飯食べに行って、その勢いでしゃべったんだなあ・・・)、ムスメは「?」な顔をして何のことやら分からない様子でしたが、それはもっともなことで、3歳の子どもに向かってあなたには他に産んでくれた親がいると話しても話された本人は一度では理解のしようが無いのですが、日常生活でのちょっとしたきっかけで少しづつ話すうちに、だんだんとムスメは自分にはどうやら他に産みの親が別にいるらしいということを自分なりに認識しはじめたらしく、最近はムスメは他の人に「お母さんが二人いるんだよ」と自ら言うようになったようです。

 つい先日(二週間くらい前?)は、私はムスメに「産んでくれたお母さんは何ていう名前なの?」と聞かれました。
 へー、そういうことに関心を持つようになったか、と思い「○○○さんっていうんだよ。お父さんは会ったことないけどね」と教えてあげました。
 ムスメは「へー。○○○さんっていえばいいのかな?○○○お母さんっていえばいいのかな?」と言うので「○○○お母さんっていえばいいんじゃない?」と言うと「○○○さんがいいんじゃない?」などとムスメは自分なりの意見を言ったりしてました。

 不意打ちのようになされた質問でしたが、ムスメの中で、実の親との距離とか関わりとか、5歳という年齢ながらいろいろ考えるようになったんだなあと思いました。

 お母さんが二人いたっていいじゃないですか。「あなたにはお母さんが二人いてよかったねー」と言ってあげてます。
 大事なのは、「育ての親である私たちが、育てている子どもの実の親のことを隠すのではなく、尊重する」こと。
 この子の実の親がいたから、自分たち夫婦はこの子どもたちとのつながりがある。
 この子の実の親たちは本当のところ自分の子と過ごしたかったでしょうし、手放した我が子のことをずっと心配しつづけるのだと思いますが、私たち育ての親が、この子どもとその実の親を尊重することで、少しは安心するのではないか、ということ。

 もし自分が養子縁組される子どもの立場だったら。
 育ての親が自分を産んでくれた親のことをあまりよく言わないようでは、自分の過去を否定されたような気持ちにならないですか?それは、自分自身を否定されたような気持ちにもつながります。
 むしろ、「産んでくれたお母さんは立派だったよ。あなたを育てられなかったけど、産んでくれたんだから!」と言えば、子どもはきっと実の親を尊敬し、「ああ、自分にはお母さんが二人いていいんだ」と思うでしょう。(とは私の想像で、実際にムスメがそう思うかどうかは分かりませんが・・・)

 そうすればこれから先、ムスメがもう少し大きくなって、もし仮に誰かに自分に別に実の親がいることについて詮索されたり揶揄されたりしても、きっと「自分はこれでいいの。」という気持ちを持てると思うのです(もしムスメがそう思えずにめげてしまったら、それはそのとき考えます)。

 他人と違う家族の形であっても、形なんか重要ではない、大事なのは家族(として接している人たち)との気持ちのつながりなんだ、と思ってくれたら、と思ってます。



カテゴリー:こどもとともに

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