ツブヤキ #175
「算数ができない」と登校拒否
2015-7-7
娘が登校拒否しました。
仕事も終わり帰ろうとする頃、妻から、娘がごねてどうしようもない、早く帰ってきてほしいと電話が。
また何だ?と思い家に帰ると、家の近くでもう既に、
ギャ〜〜〜〜〜〜〜ッ!
いう泣き声が聞こえてきます。あーあ・・・
(昔は、うちの娘が目一杯泣くとあまりの激しさに近所から虐待と思われるのではないかとヒヤヒヤしたものです。今はもう慣れましたが。)
家に入ったら、娘が妻と畳に向かい合って座り込み、娘が激しく泣きながら何かを必死に訴えています。
娘にどうしたの?と聞きますと、
「だってえええ(泣)、できないんだもおっおっおっおっん!(嗚咽)」
「さんすうがあああ、つらいんだもぉ〜〜〜ん!(泣)」
「もうがっこおうっおうっおうっ(嗚咽)いきたくなぁいー!(号泣)」
・・・いつになく激しい。
娘を聞き取り調査した妻によると、
・前回初めて学校を休んだ時から算数の授業がさっぱり分からなくなった
・休んだ分の算数の問題が終わりきらずに休み時間もやらされ、先生に分からないところを聞いても「分かるでしょう」と言われた
・いくらやってもできない
・だからもう学校に行きたくない
と、そういうことらしいです。
ふーん、なるほど。
娘に、背中をさすりながら言いたいことを全て言わせて、少し落ち着かせました。
うんうん。じゃあさ、分からないところはおうちで勉強しようか、お父さんがいっしょにやるからさ。
私が算数の教科書のページをめくりながら
「どこまで分かる?」
「ここまで(泣)」
「ここから先が分かんないの?どのページ?」
「教科書じゃない。算数ノートがわかんない。(泣)」
「じゃあそれやろうよ。出してみな。」
「学校にあるんだもん!持って帰っちゃいけないんだもん!(半ベソ)」
・・・
どうやら、算数ノートというのは学校でやるもので、家に持ち帰りさせないようです。
それができないと言っている。
できないところがどこであるかが分からないので、親としてもアドバイスしようがありません。
次の日は算数の授業があるらしいのですが、娘は頭の中が恐怖で一杯なのか、行きたくないと言っているし、娘ができないと言っているのが何なのかが分からない以上、学校に行かせても勉強にならないのは目に見えています。
妻に相談し、次の日の放課後、妻が学校に行って先生から話を聞いてもらうことにしました。
「うん、分かった。明日学校休んでいいよ。」
娘はようやく納得し、妻の段取りで娘は3月まで通っていた保育園で1日過ごすことになりました。
***
先生との話が終わったであろう頃、妻から電話がありました。話聞いてきたよ、と。
妻が先生から聞いた話は、娘の話の内容とは少し様子が違っていました。
・娘は他の子より算数ノートをやらなくてはならない量が休んでしまった日の分多かった。
・先を進んでいる他の子に追いつくために、娘は自から休み時間も算数ノートをやっていた。
・娘は算数ができないのではなくて、休んでしまったために算数ノートが他の子よりも遅れていただけ。
・先生の「分かるでしょ」というのも、娘が算数が出来るのを知っているからそのようなことを言った。
・娘のこのがんばりを先生はクラスの皆の前で褒めたばかりだった。
ということで、「算数が分からない」と言って娘が学校を休んだことが、先生にとっては寝耳に水だったようです。
事情がある程度分かり、少しほっとしました。
そして仕事も終わり、うちに帰ったら、またもや家の近くで
ギャ〜〜〜〜〜〜〜ッ!
という鳴き声が聞こえてきました。はぁ・・・
あら、またうちの子が泣き叫んでるわ、と思いながらうちに入ると、案の定でした。
明日学校に行きたくない!と。
妻に、先生と話したことを娘に話したか?と聞いたら、帰ってくるなり泣き出したからまだ話してない、と。
とりあえず娘の背中をさすりながら言いたいことを言わせて気を落ち着かせました。(昨日と同じだ・・・)
娘によると、明日の1時間目に算数があるから嫌だ、と。
娘に、お母さんが先生に話を聞いてきたってよ、算数がんばってるって褒められたらしいじゃないの、先生はこれからH(娘のこと)の勉強をもう少し見ると言っていたし、明日学校に連れてきてくださいってお願いされたらしいよ、と言いますが、娘は行きたくないと言い張ります。
とりあえず、妻は翌日の朝、娘と一緒に学校に行ってくれることになりました。
娘に、他の授業は出られる?と聞くと、出られるといいます。
算数だけ嫌なの?と聞くと、うんと言います。
お母さんが朝一緒に学校に行くから、行こうよ。もし明日の朝になってどうしても学校行きたくなかったら休んでもいいけど、もし学校に行って算数の授業が途中で嫌になったらうちに帰ってきてもいい。それでいいでしょ?
娘は、でも、とか何とか言ってましたが、とりあえず逃げ道が確保できたことで少し安心したようで、うん、と言いました。
そうしたらとたんに落ち着いて、翌日の学校の準備もいつものように始めました。
***
その翌日。
娘はいつもどおりの様子ですが、私は娘から、算数の授業が途中で嫌になったら途中で帰ってきてもいい、と先生に言うようにお母さんに言ってね、と念を押されました。
分かったよ、と答えて、妻にそのことについて伝えました。
そして妻と娘は一緒に学校に向かいました。
仕事から帰ってきてから、妻から話を聞きました。
妻は朝学校に着いて職員室で先生と話をし、娘が算数の授業が途中でいやになったら途中で帰ってもいい、という条件で学校に連れてきたことを先生に告げたそうです。
そして放課後、別の用事で先生に会ったときに聞いてみたら、娘はいつも通りに過ごして、何も問題が無かったとのことでした。
娘と先生の話、そして娘の様子から分かったのは、娘は算数が分からなくて嫌になったのではなく、休んだためにやり残した算数の練習を、他の子に追いつこうと頑張ってもなかなか追いつけないために嫌になったらしい、ということでした。
子どものために道を整えるのではなくて、子どもが行き詰まったときに、一緒になって問題を取り除き、道を直してあげる。
何よりもそれが親の役目だね。
妻とそう話しました。
カテゴリー:こどもとともに