読書の時間#402
家族を紡いで
白熊 繁一
天理教道友社(2014)
先日、白熊 繁一さんのお話を聞いたときのことを書きましたが、その白熊さんが書いた、里子たちとともに暮らす日常の様子を描いた本です。
それぞれ個性的な、そして様々な事情を抱えた、白熊家の里子たち。
この子どもたちを我が子同然に可愛がり、温かく包み、時には共に喜び、時には共に悲しみ、時にはその子どもたちから様々なことを教えられて、寄り添い合い生きていきます。
家族というものの大切さを感じます。
「里子たちの背中には、目には見えませんが、大きな荷物があります。一人ひとり、その重さも大きさも違いますが、どの子にも、その荷物は大きすぎるし重すぎます。子どもたちは、一生その荷物を持ち続けるのです。本来は、だれも持たなくてもよかったはずの荷物なのに・・・」(p.68)
子どもたちとの様々なエピソードと、その中に差し込まれた、子どもたちを思う優しい詩。
思わずホロッときてしまいます。
我が子どもたちへ、その子どもたちと関わりのある近所の子どもたちへ、そして世界中の子どもたちへ。
白熊さんの子どもたちへの優しい思いは、どの子どもたちへにも同じように向けられます。
そしてページから目を離してふと我が身を振り返ると、ああ自分はまだまだ子どもにつらく当たっているところがあるなあ、と深く反省するのです。