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TPP亡国論

中野剛志  集英社

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 アメリカに「参加するかどうか早く決断しないと置いていくぞ」と言われてまごまごしている日本。とりあえず震災を理由に辛うじて決断を待たせてもらっている状態のTPPですが、アメリカ主導ってことでこりゃ危ないって思ってたところ、これでいろいろ疑問が氷解。

 それは、著者が言う「実質対米FTA」って、この言葉に尽きます。TPPの、アメリカ以外のメンバーはいずれも小国で、それらの国の影響はアメリカに比べたらほとんど無いといっていいからです。対米FTAでさえ困難なのに、TPPで日本が良い条件を得られるかどうかは疑問。アメリカにしてみれば、日本から金を搾り取る算段ができているってことです。
 また、日本政府は大企業の方しか見ておらず、大企業は関税ゼロに魅力を感じ、TPPによって起死回生が図れると信じているようですし、政府は世界に対していいカッコをしたいと考えているようで、日本の貿易鎖国からの脱却を叫んでいますが、著者は日本が貿易鎖国であるというのは誤りと言ってます。政府は全く雰囲気で動いているようにしか見えず、そこに緻密な戦略は無い。アメリカの口車に乗せられてはいけない。


 景気回復はデフレからの脱却が鍵だということで、そのために公共投資を増やせとか、日本の国債の保持者は9割が日本人であり、日本人の貯蓄率は高いのでギリシャのような財政破綻は無いといいますが、これについては「?」な感じ。不必要なハコモノの公共投資なら国土を荒廃させるし、日本人の貯蓄率は下がっている。

2011-7-2

カテゴリー:政治と行政経済・ビジネス世界の社会事情と外交
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