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来たるべき言葉のために

中平卓馬 オシリス

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 これが40年前に刊行されていたということに、正直驚かされました。こんな写真は見たことがない。

 簡単に言うと、主に街を、他には海なんかをモノクロームで撮った写真ですが、これは街や海などの被写体を撮っているというよりも、光を捉えようとしているように見えます。というか、捉えようとしているのは何か磁場のようなもののような気もするし、空間のゆがみを切り取ろうとしているようにも見えますが、でもやっぱり、光を捉えようとしているのかな、と元に戻ってしまいます。

 何かを意識して撮ろうとしているというよりも、氏の外側のどこからか何か働きがあって、それを直感でキャッチして、それを思考を迂回してたまたまカメラでフィルムに記録しているような、そんな感じがします。

森山大道氏の写真と比較している人も見かけましたが、例えば、被写体は同じ「街」というものであったとしても、捉えているものが全く別物で、比べようとする言葉が出てこないのです。

 これは氏が生死をさまよう以前に発表されたものですが、最近のものも見てみたいと思いました。






2011-7-27

カテゴリー:写真集

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