原発事故 残留汚染の危険性
武田邦彦 朝日新聞出版
武田先生は誠実な方なのだとおもいます。
武田先生は「境問題はなぜウソがまかり通るのか」 など、現代のリサイクルシステムに警鐘を鳴らす本をいろいろ出しており、リサイクル賛成派だった自分が(賛成派を辞めたわけではありませんが)、半ば「この先生は何を言っているんだろう」と反論ネタ探しに何冊か読んだことがあります。
原発推進派にして放射能汚染についてその危険性を警告するというのはフツーの科学者にはなかなか出来ないでしょう。
事故直後の短期間にまとめられただけあって文章もやや粗いのですが、一刻も早く本当のことを伝えたいという気持ちが伝わってきます。
放射能が拡散したことによって今何が起こっているか、これから私たちがどうしていくことになるのか、どうしてこんなことになったのか、などが、手短かに語られています。
特に、私がショックを受けたのは次の一文です。
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実は、日本の原発は、「地震が来たら、壊れて、放射性物質が漏れ、場合によっては付近住民が被ばくをする」という「指針」のもとにつくられています。
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これが日本の原発事情の全てを語っているといっていいでしょう。原発は、日本の国民性には不向きなシロモノなのです。
2011-8-3
カテゴリー:原爆・原発・原子力/日本の社会問題