このブタちゃんたちは、私が知っているブタちゃんの姿ではない。「食べ物」ではなく、犬や猫と変わらない、普通の動物の姿。

　舞台はとある養豚場。
　今はもうこの養豚場は無くなってしまったそうですが、豚は豚たちで親豚・子豚が家族のように暮らし、おっちゃんと奥さんも豚たちを家族のように可愛がります。その姿がとても愛らしいのです。

　後書きによると、大規模機械化の養豚場が一般的な中で、おっちゃんは豚を中心とした飼育方法で豚たちを育て、農林水産大臣から表彰を受けるほどの腕前だったそうで。

　撮影する山地氏も、まるで友人の大家族でも撮るように、人間とブタの生物的区分を越えた愛をそこに見つけ出し、同じ「動物」であることを思い出させてくれるのです。

　写真の中でおっちゃんは、豚たちの中で昼寝をし、新聞を広げ、ギターを奏で、子豚を連れてふらりと散歩をする。

　こんなおっちゃんに育てられた豚ちゃんたちは、たとえ人間に食べられる運命にあろうとも、幸せな人生、いや、豚生を送ることでしょう。

2011-9-12

カテゴリー：写真集
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