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梅棹忠夫、世界の歩き方
小長谷 有紀 佐藤 吉文 勉誠出版 (2011)
昨年亡くなった、国立民族博物館の初代館長であり、民俗学・比較文明学の学者でもある梅棹氏が残した膨大な資料、著作からピックアップした、氏のフィールドワークのエッセンス集。
文章も短めで凝縮されており、写真や資料も大きめに掲載されて軽い気持ちで読めます。風貌はちょっとした写真集といった感じ。仕事とはいえ、この時代に世界中を旅したというのは本当にうらやましい。
写真に映る世界各地の風景も現代とそう変わらないと思いますが、時代の空気のせいなのか写真の粗さのせいなのか、どことなくのどかな雰囲気です。
梅棹氏の、好奇心の赴くままに行動し、しかし観察力を研ぎすましたその視線とそれに連動した緻密な作業は大いに学ぶべきところがありますが、そんな難しいこと考えなくても一風変わった世界旅行記として楽しめる本だと思います。
2011-10-13
カテゴリー:世界の文化と歴史