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#57

氷壁

井上 靖 新潮社 (1963)

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 久しぶりに文学でも。

 「事実は小説より奇なり」という言葉があるように、どうもノンフィクション系が面白いと思ってしまうので、なかなか文学を読む機会がありません・・・

 これは山登りを題材にした小説。
 主人公が友人とともに望んだ山ですが、そこで友人が、使ったナイロンザイルが切れて滑落、亡くなります。麻のザイルよりも強いと言われ、当時流行りだしたナイロンザイルがなぜ切れたか。
 主人公による殺人説、友人の自殺説など様々な憶測が世を飛び交い、主人公はナイロンザイルが使用状況によっては切れやすいとの証明をなんとかして見せようとします。

 この話は実際にあったナイロンザイル事件がベースになってます。日本山岳会がナイロンザイルの脆弱性を認めない間に何回も同様の事件が起きたようですが、こういう隠蔽体質というのはどの時代でも変わらずどこかにあるものですね。

 山屋さんの間では有名な話で、雑誌「山と溪谷」でも何回か取り上げられていた記憶があり、改めてこんな本も読んでみようと思いました。
 当時の山岳ブームの雰囲気も垣間みられ、厚い本ですが一気に読むことができました。


2011-10-31

カテゴリー:小説旅と山歩き

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