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#85

個人はみな絶滅危惧種という存在 彫刻家・舟越桂の創作メモ

舟越 桂 集英社 (2011)

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 舟越さんの作品、残念ながらなぜか今まで実物を目にする機会はありませんでしたが、不思議な雰囲気を持った作品ですね。

 主に彫刻の作品の写真とメモの羅列で構成されてます。彫刻は木彫で大きく分けて2タイプ。一つは、普通の人間の彫刻。西洋人のようにも見えますが。
 で、もう一種類が、人間のような体のパーツを持っているが人間ではない生物の木彫。本の表紙の写真のように、体格は男性なのに胸が女性、首は長くて頭が紙ではなくて不思議な器官のようなものだったり、あるいは上半身は人間っぽいが下半身が四つ足の棒だったり、方から手が出ていたり。
 これは生物なのか、宇宙人なのか、神なのか?

 しかも、メモの羅列の方は、ハッキリ言って何を言っているのか分かりません。まるで忘備録のようで、脈絡が無く、短い文章が寄せ集められたような感じ。あるいは詩のような。

 でもきっと、これらの文章のような、いろいろな思いが集められて形になるとああいう造形ができるのでしょうね。何を言っているのか分からないけれどそれはそれで面白く、一瞬はっとさせられる言葉があったりする。

 あの宇宙人のような彫刻も、不思議と気味悪さは無く、実は私たちの心の深層で見ている人間の形はああいうものかもしれないと思うくらい。となると、あの彫刻たちは人間の形でもそうでなくても、みな同類にも見えるから不思議です。いつか実物を見てみたいです。


2011-12-23

カテゴリー:偉人伝・自伝/芸術論

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