#117
【読書】二十一世紀の花鳥風月 熱き風流を語る
松井 孝典 横山 俊夫 中央公論社
現在の私たちが直面するさまざまな文明の問題を「花鳥風月」になぞらえて論じた座談会。
松井孝典氏・横山俊夫氏がホストとして書家の石川九楊氏、陶芸家の樂吉左衛門氏、熱帯生態学の井上民二氏、実験進化学の四方哲也氏がゲストで、言葉/つたえる、石/あやかる、花/おもむく、人/いつわるという4つのテーマ。
どのテーマでも、松井・横山氏が軸となって、ざっくばらんに取り留めもなく話が進んでいきます。
通しで読むと面白いことが分かります。
自然界の落ちこぼれだった人間が、様々な自然界の現象に学び、なぞらえ、そこから生みだした「文明」という道具は人間を様々な制約から解放し様々なことを可能にし、自信をつけてゆきました。しかしそれとともに、お手本にし上手につきあってきたはずの自然界からもどんどん離れていってしまった。
でも、そろそろ限界が目につきはじめてきました。自然界の法則からすると、人類の今後の身の振り方次第で、永続にも滅亡にも向かうことができる。
今一度、人類は自然界の方を振り返って考える必要があるんじゃないでしょうかね。
10年以上前に書かれた本ですが、全く色あせない、これからのための本といっていいでしょう。
2012-3-15
カテゴリー:思想・哲学・心理/世界の文化と歴史/評論・エッセイ・ルポ