印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |

ハナwork2.jpg

#194

【読書】造園植栽術

山本 紀久 彰国社

b0194-造園植栽術.jpg

 ちょっと専門的な本ですが、「ランドスケープデザイン」の視点から造園についての技術や知識をぎゅっと詰め込んだ本です。

 山本さんは「愛植物設計事務所」という設計事務所を立ち上げて、主に公園や庭園、建物の屋外空間などの屋外空間の設計を手がけてきました。

 「植栽」の本というと、これまで培われてきた「造園技術」や「庭園」などの本はありましたが、もう少し現代的な視点から論じた本はどちらかというと「植物」や「建築」などに偏り、ランドスケープという視点でバランス良く論じた本は少なかったように思います。

 特に山本さんは植物の知識や植栽技術について詳しく、これまでランドスケープの本といえば建築的デザインの色が強い本が多かった中で、この本は日本の植生からビオトープに至るまで、日本の風土に合った植栽について力を入れているという点で特徴的といえます。

 解説のために手描きで描かれたスケッチはきれいで分かりやすく、また、用いられている写真もよく特徴を捉え、解説も1テーマ数ページでまとめており、実際に手がけたプロジェクトの解説も交えながら仕事の中で得た知識も盛り込んでいます。

 造園設計の仕事をしている人はもちろん、その道を志す学生や建築設計の一環でランドスケープを手がける人にも分かりやすく役に立つ良書といえるでしょう。


2012-12-10
カテゴリー:建築・造園

にほんブログ村 子育てブログ パパの育児へ
ランキングに参加しています。よろしければ1クリック、おねがいいたします!