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#198

【読書】丘の上の邂逅

三浦 綾子 小学館

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 まだ若かりし20年くらい前、いろいろ生き方に悩んだときにむさぼるように読んだのが三浦さんのエッセイでした。
 日々の暮らしの中で起こった出来事に登場する人たちや三浦さん自身の心の内面を見つめて出てきた言葉が心にすっと入り、心の中が整理されたり気持が癒されたのを今でも覚えています。
 三浦さんが亡くなってからすでに13年がたちますが、今は旦那さんの光世さんが三浦綾子記念文学館の館長として三浦綾子さんの文学を多くの人に伝えるべく様々な活動をされています。

 この本は、三浦綾子さんが生前新聞や雑誌などに書き下ろしながらも単行本に収められなかったものを集めたもので、生誕90周年を記念して刊行されました。
 一見短いエッセイの寄せ集めのようですが、しかし一話一話の内容には読んでいくうちにはっとさせられるものが多く、埋もれたままにしてしまうには勿体ないものばかりです。

 話の内容からは今よりもまだ世の中の雰囲気が穏やかだった時代の面影が感じられ、ちょっとしたタイムトリップ感も感じましたが、それは読んでいくうちに三浦綾子さんがまだご健在であるような錯覚を感じたからかもしれませんが、そのすばらしい表現力は久しぶりに三浦さんの本に接した今でも感動します。

 ずっと暮らしていた旭川を舞台に、ちょっとした出来事や旭川への愛着などが綴られますが、その光景がありありとまぶたに浮かび、通して読み終わると、不思議な安堵感につつまれます。

2012-12-24
カテゴリー:評論・エッセイ・ルポ

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