#223
【読書】究極のナローゲージ鉄道 せまい鉄路の記録集
岡本 憲之 講談社
ナローゲージとはつまり簡単に言うと、サブタイトルにもある「狭い鉄路」ということですが、ここではJRをはじめ日本で最も多く採用されている「狭軌」よりも狭い軌道を指しています。
そんな、今は無き「狭い鉄路」の鉄道たちを集めた本です。
これを見ていると本当に面白い。その多くは林業・鉱業など産業に使用されていた簡易な鉄道たちですが、これが実に個性豊か。
動力機関もディーゼル機関・ガソリン機関の他、蓄電池を利用したものなんかもあったんですね。
実用重視ですからデザインは最低限で実にシンプルですが、それでもその使い方に合わせた設計や、申し訳程度にちょっとかっこ良くデザインされたりして、だからこそなおさら洗練されたデザインが当たり前の現代の車輛を見慣れている私たちにとってはとても新鮮に見えるのです。
それらが残っていたら今頃は観光に利用されたりしたでしょうに、残念なことです。
私が一番「おおっ」と興味を持ったのは、千葉は東金の商店街の商店の敷地に敷かれていたおもちゃのような軌道。街道沿いに立ち並ぶ商店の敷地は奥に長く、奥の倉庫から店先まで重い荷物を運ぶためのものだっだそうですが、個人の家に実用的な鉄道が敷かれていたなんてわくわくしませんか。
現代よりも非効率な時代に活躍していた個性的な鉄道たち。これからの鉄道のありかたのヒントに、なりそうな気がしますね。
2013-3-7
カテゴリー:交通