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#275

地図と愉しむ東京歴史散歩

竹内 正浩 中央公論新社 (2011)

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 東京の今と昔の地図を見比べてその歴史を探る本はいくつもあるかと思いますが、この本ではおおよそ明治または大正の地図と現在の地図を見比べて、9つのテーマでその歴史を探ります。

 テーマは、石垣に刻まれた幻の水準点・明治の五公園は今・市営霊園の誕生と発展・都内に残る水道道路の歴史・生まれた川と消えた村・幻の山手急行電鉄計画・軍都の面影を訪ねて・未完の帝都復興道路・廃線分譲地と過去の輪郭。

 個人的に面白かったのは、まずは、明治の五公園でしょうか。もともとお寺の境内を開放して一般庶民が行楽を楽しんだ五公園。結局戦後の公園のあり方でトラブルなどあり一部を除き規模縮小等がなされました。そして多摩の村をつぶして二つの巨大貯水池をつくり都心まで引いた水道の上部を利用した水道道路。あの巨大貯水池をつくったのは最近の話ではなかったんですね。そして荒川の付け替えでも多くの村が無くなったり分断されたりし、旧河川跡は埋め立てられて利用されました。それから、東京市内には軍の施設が至る所にあったということもちょっと驚きでした。

 地図がやや小さいのが難点ですが見比べやすいようにアレンジされ、当時の写真や現在の写真なども添えられてます。思わず「へえ、そうだったのか。」と思うところ多数。

 続編も何冊か出ているようです。

2013-8-22

カテゴリー:日本の文化と歴史

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