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#281

原爆被爆記録写真集

長崎市 長崎平和推進協会 (1996)

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 先日、長崎原爆資料館を訪れた際に購入しました。

 見開きに1〜3枚程度の大きなモノクロ写真を並べています。

 被爆直後の街の様子、救助活動が始まり少しづつ街が動きだす様子、そして平和への祈り。

 遠くに見えるきのこ雲、みごとに綺麗に破壊つくされた大地の構造物、原形をとどめずあちこちに転がる遺体、痛々しい傷を負いながらさまよい歩く市民。

 この本では文章は最小限に留め、写真を通して視覚的にこのかつてあった悲惨な世界に触れてもらうようになっているようですが、それらの大きな写真が1〜2行程度のコメント付きで淡々と並べられている様子は、「原爆投下による悲惨さ」だけではなく、いろいろなものをその写真から感じることができます。

 アメリカ軍が撮影した、上空から見た原発「投下前」と「投下後」の写真。「使用前」と「使用後」という言葉が浮かぶような、無機的な写真。
 小さな飛行機が落とした、たった一発の爆弾が、これだけの被害を与えることができるようになったという、愚かさ。

 あの時、長崎の空と地上は、次元の異なる世界だったのでしょう。

 過去にあった悲惨な現実に、できる限りありのままの形に近い形で向き合おうとすること、それは同じことを繰り返さないようによりよい世界を形づくるための智恵を生み出そうとすること。


2013-9-25

カテゴリー:原爆・原発・原子力日本の文化と歴史写真集

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