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#287

大人の発達障害ってそういうことだったのか

宮岡 等 内山 登紀夫 医学書院 (2013)

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 昔はあまり聞かれなかった「発達障害」という言葉が、近頃よく聞かれるようになりまして、小学校でクラスに数人は発達障害児であるという話を聞いたりしますが、実は子どもだけでなく大人にも発達障害の方が多いのだそうですね。その多くは普通に暮らしていて自らが発達障害であるという認識も無い人がほとんどのようですけれども。

 この本は、子どもの発達障害が専門の先生と、大人を対象とした精神医学の先生の対談による、大人の発達障害について探っていく本。
 ですから、話の内容も医学の専門家向けという感じで追いつけない部分がありますが、それでも一般の人にとって参考になる部分は多く、なかなか興味深い内容でした。

 でも、発達障害は子どもに多いイメージがありまして、以前子どもの発達障害について書いた「発達障害の子どもたち」という本を読みましたが、(当たり前と言えば当たり前ですが)症状は大人も子どもも同じなのですね。
 ですが、診断の難しさや対処の方法など、大人なりの事情というのがあるというのがよく分かりました。

 社会性・コミュニケーション・イマジネーションの障害と感覚過敏の4つの徴候で発達障害が見えるそうですが、大人の場合社会で一見普通に暮らしている人が多く見分けにくかったり、また、他の精神的障害と合併していたりで、なかなか複雑なようです。

 大人の発達障害も子ども同様、治す事はできませんが、社会に適応できるように訓練することが可能とのことなので、まず「知ること」が大事なのですね。

 まずは、初心者向けの、子どもの発達障害についての知識を得てから読むととっつきやすいかもしれません。


2013-10-22

カテゴリー:医療と健康

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