#299
母親たちの脱被曝革命 〜家族を守る22の方法〜
お母さん革命ネットワーク 扶桑社 (2013)
現在の日本の食べ物の放射性セシウムの基準値100ベクレル/kgが、原発事故前では低レベル放射性廃棄物としてドラム缶に詰めて厳重に保管しなければならないという基準値であったと、どれだけの人が知っているでしょうか。
放射能に対する体の影響は、大人たちより子どもたちのほうがはるかに大きいと、どれだけの人が知っているでしょうか。
この本に出てくるお母さんたちは、他のお母さんたちとつながって、子どもたちへの放射能による被曝を少しでも抑えるため奔走します。
そう、すべては、これから日本を担っていく「子どもたち」のため。
自分たちで放射能に対する情報を収集し、自治体に食品に含まれる放射能の検査を促し、焼却による放射性物質の飛散を懸念して震災で放射能に汚染されたがれきの受け入れに反対し、安全な学校給食への道筋をつくり、原発への依存からの脱却を訴える。
被曝したと思われる子たちを自主的に検査し、放置されたままの「子ども・被災者支援法」の早期有効活用を訴える。
子どもたちを守るために、本当に多くのお母さんたちが実に様々な活動をしていました。
そして、それらの活動ひとつひとつは本当に小さなもので、それが積上って大きな力となっていくのですが、本当にすごいと思いました。こつこつと続ける努力の結果が、じわじわと広がっていく。
そして、とても参考になったのは、バッシングするのではなく、「対話する」という姿勢。
役所、学校、議員、などなど、子どもたちを放射能から守るためにいろいろなことを変えてほしいという思いを、対話によって少しづつ変えていくという姿は、とても勉強になりました。そう、人間は感情で動く生き物、叩くだけではだめですよね。
日本の未来は暗くない、と思いました。
2013-11-28
カテゴリー:原爆・原発・原子力/暮らしと子育て