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サムライたちの殉教 米沢1629.1.12
筒井 義之 神保 亮 千原 通明 新潟教区『サムライたちの殉教』編纂委員会 ドン・ボスコ社 (2009)
徳川幕府が治めた江戸時代、切支丹に対しての大規模な迫害が行われました。
当時、日本中に広がりを見せようとしていたキリスト教。
切支丹に対する迫害で多くの命を落としたのは、これまで長崎や島原などが有名でしたが、実はそれに匹敵するほどの迫害が、東北の地・米沢で行われていました。
幕府によるキリスト教制圧の命令に対し、藩は、家臣に切支丹が多くおり民衆もまた切支丹が多かったために難色を示しますが、幕府の強硬な脅しには逆らうことができませんでした。
藩はそれに一応従うものの、最後までなるべく受刑者の数を減らそうとしていたんですね。
そして何より痛ましいのは、本に掲載されていた、殉教した53人のリストの中に、10代以下の子どもが14人もいたことです。53人の中に年齢が分かっていない人も多くいるので実際はもっと多いのかもしれません。
そして、受刑が決まって刑場まで行ったものの、直前に処刑から免れて解放された人も何人かいたようで、しかしその人たちの多くは、他の受刑者と同様に処刑を願い出たとあります。彼らにはぎりぎりの過酷な状況の中で神を見たのでしょうか。
彼らはクリスチャンでありながら、実に侍以上に侍であった、と思いました。どうしたら彼らのように、誇り高く生きていくことができるのだろうか・・・
絵本ですが、子どもはもちろん、巻末に詳しい解説もありますので大人も十分読むことができますし、英訳も各ページに添えられています。
2013-12-2
カテゴリー:宗教・信仰/日本の文化と歴史/子どもの本