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#316

吃音のこと、わかってください クラスがえ、進学、就職。どもるとき、どうしてきたか

北川 敬一 岩崎書店 (2013)

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 吃音とは「発声時に第1音が円滑に出なかったり、ある音を繰り返したり伸ばしたり、無音が続いたりする言語障害(デジタル大辞泉)」です。どもりとも言います。

 私が子どものころは自分の周りに吃音の子はいなかったように思います。初めて吃音の人に会ったのは成人してから、たまたま行った教会の神父が吃音で、つっかえつっかえしながらも一生懸命話す姿を見ました。

 あまりにもその症状が顕著で、病気か障害のようなものかしらと思っていたので、最後まで話を聞こうという気持ちになりましたが、でも自分が小学生の頃にこういう吃音のお友だちがいたらどう接しただろうか、と考えてしまいます。

 北川さんは自らが吃音であり、多くの吃音の子どもたちに会って話を聞きますが、それぞれの子の吃音についての悩みや吃音との接し方、そして周りの人たちのとの接し方が実に様々であることが分かりました。

 吃音であることを隠し、会話言葉をうまく選択することで吃音であることが周りの人に分からないようにする子、自らが吃音であることを周りに公表して吃音である自分のありのままを認めて生活する子、一生吃音とつき合っていくことを覚悟している子、時間がたてば良くなるだろうという希望を持って生きる子、あるいは吃音であることをさほど気にしないで生きている子。
 自分が吃音であることに気づかずその症状に悩んでいた子や、吃音について周りが無知であるがゆえに偏見を持たれて悩んだ子、など。

 吃音についてはまだまだ分からないことも多いらしく、吃音が一生治らないのではないかと心配する親御さんの一方でその子どもさんはそれほど気にしていなかったり、その逆もあったり。

 吃音という症状そのものの解決も大事ですが、それと同じくらい、周りの人たちとの関係の解決が実に大きいのだなあと思いました。あと、吃音とどう向き合うか、自分自身の中での解決の仕方次第という面もあり、それには吃音の子どもたちの気持ちに大人たちがどう向き合うかが重要なようですね。

2014-4-19

カテゴリー:医療と健康暮らしと子育て

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