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神々の造形・民俗仮面の系譜
高見 乾司 高見 剛 鉱脈社 (2012)
高見さんは個人で九州の仮面を収集し、研究されている方です。
もともと15年ほど前に由布院に仮面の美術館を開いていましたが、現在は宮崎に移り、引き続き収集と研究を行っています。
仮面というと「ひょっとこ」とか「おかめ」とか、あるいは能面などが思い出されますが、高見さんが紹介する仮面は、九州各地に残っていた、実に様々な仮面の数々です。
天狗や様々な神の面、翁や女など人間の面、狐や猿などの動物の面・・・
そのほとんどは今でも九州各地に細々と伝わる「神楽」で使用されてきたもので、それぞれの面の分類や背景などについての解説はなかなか面白く、聞き慣れない用語が多いのでなかなか理解しにくいものの、脈々と現在まで続いた文化の奥深さに浸ることができます。
そして高見さんがこれまで様々な「仮面」と関わってきた個人的な思いなども随所で触れられ、その思いが伝わってきます。
「神楽」への理解を深めてみたい、という気持ちになります。
2014-9-6
カテゴリー:日本の文化と歴史