#345
親でなければできない教育
品川 孝子 あすなろ書房 (1971)
実は最近母から貰った本で、内容にあまり期待せずに読み始めたのですが、これがなかなか良かったのです。
もう40年以上前に刊行された古い本ですが、ここに書かれている内容が、現代に当てはめても何ら違和感がありません。
品川さんは、子どもに対して「子ども」というより一人の人格として向き合い、子ども・父親・母親・その他学校の先生などの役割をきっちりと捉えた上でその役割や性格に合わせたそれぞれの務めについて説明しており、この頃にこうした考え方が既にあったということにちょっと驚きました。
「労働の教育」「金銭についての教育」「親ではできない、教師の役割」などの教育論や「やってみせる」「認める」など子どもとの接し方について分かりやすく説明しています。子どもや子育ての本質を見極めた上でのアドバイスの数々は、現代においてこそ参考にすべきものではないかと思いました。
数々の事例を取り上げて紹介されていることから、子どもたちや親たちの行動を注意深く見つめた末に導きだされたものだということが分かります。
品川さんの歯切れの良い言い回しやテンポの良さで気持ちよく読めてしまう本です。
2014-10-21
カテゴリー:暮らしと子育て
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