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#350

炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学

夏井 睦 光文社 (2013)

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 糖質制限とは、文字通り糖質を制限することで、痩せる・糖尿病を軽減する・その他様々な病の軽減に効果があるのだそうです。
 糖質というとまず思いつくのが「砂糖」ですが、何とお米やパンなどいわゆる「主食」と呼ばれる炭水化物も体内で糖質に変わるから糖質制限の対象食物に当たるらしいのです。

 糖質制限の方法については具体的には触れられず、糖質制限によって体の中で何が起きるのか、そしてそもそも人類はどういう食生活を送ってきたのか、など、人間と糖質の関わりについて掘り探っています。

 そもそも生物の歴史の中で、酸素が無い原初の地球で生まれたブドウ糖はとても使いやすい物質で、当初はブドウ糖を活用するように生物は進化してきました。
 しかし多くの生物がさらに進化し生存競争が激しくなると、俊敏に動くために筋肉が生まれ、その筋肉を動かすために脂肪代謝が発達します。
 一方脳はその構造から主にブドウ糖でしか動かせないので、そのブドウ糖を生み出すためのエネルギー源となる脂肪酸を皮下脂肪に貯蔵するようになったらしいのです。

 その後、人は農業を生み出し、穀物という農業にふさわしい植物が主食となったため、さらに糖質摂取が増えた、というわけです。

 昔は農業従事の肉体労働で消費した糖質や脂肪酸を現代では運動で消費すればいいんじゃないの?と単純に思ってしまいますが。そこは糖質を制限する方が遥かに効果的、ということでしょうか。

 何千年も人類を支えてきたのが穀物であるということには人体にとっても都合が良いからこそであると思いますし、他の栄養素とのバランスをも考えると糖質だけに着目するのは危険な気もしますが、肥満やその他糖質が関わりがあるとされる病気に悩む方には糖質制限はやってみる価値はあるのかもしれません。

2014-11-14

カテゴリー:医療と健康食と農

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