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読書の時間 #379

おやすみ神たち

谷川 俊太郎 川島 小鳥 ナナロク社 (2014)

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 詩人・谷川俊太郎氏と写真家・川島小鳥氏の合作。

 写真集「未来ちゃん」で未来ちゃんの強烈な個性を引き出した川島さんでしたが、このたびは台湾の日常風景を撮影し、のんびりとした雰囲気。どこか懐かしく、最初ページをめくったときは日本かな?と思ってしまいました。
 台湾に来て骨休みしながら、写真にも登場する男の子「耀源」君と時々戯れてます、といった感じ。まるで里帰りでもしているかのようです。

 それにしても、ところどころに挿入された谷川さんの詩は、強いですね。詩集・写真集「生きる」でも感じましたが、視覚的には写真のほうが圧倒しているのに、詩の個性がくっきり際立ち、写真はその背景のようにも感じられます。
 谷川さんに敬意を表するかのように。

 谷川さんが詩で表す、日常に潜む神たち、そしてタマシヒ(魂)たち、そして私たち。
 見えないものたちをそっと「感じる」、止まった時間。
 川島さんの写真の色調はうっすら色あせ、現代でありながら一昔前の、今よりもまだ神たちや魂たちが私たちの近くにいた頃の雰囲気を醸し出します。

 使っている紙も、ざらついた紙、つやのある紙、向こう側がやや透けて見える紙、しわの寄った紙、などいろいろな紙を使い、遊び心に溢れます。
 まるで、この世の風景はいろんな感じに見えるんだよ、とでも言っているかのようです。

2015-7-3

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・谷川俊太郎さんの本
写真
生きる
・川島小鳥さんの本
未来ちゃん

カテゴリー:詩集写真集

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