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読書の時間 #387

路上のうた ホームレス川柳

ビッグイシュー日本 (2012)

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 ホームレスの自立を支援している団体、ビッグイシュー。

 ビッグイシューが2012年に「路上文学賞」を設立し、公募で集まった「うた」(川柳)をまとめたものだそうです。

 ここに集められた「うた」が、とてもよい。

 日頃の路上での暮らしを題材にした「うた」が多いのですが、悲壮感は無く、ちょっと自虐的でもあり、しかしそれを笑い飛ばすようなユーモアに思わずクスリと笑ってしまい、時には心にじんわりと染み込みます。

 家を持たずに外で生活する彼らならではの視点は細やかで、そうだったのか、と思わせられることもしばしば。
 たとえば、「寝床から ツクシが芽だす 春景色」なんて「うた」は、彼らでなくてはつくれないでしょう。

 彼らの「うた」から、経験したこともない違う「世界」が見えてきます。
 それは逆に、同じ人間が同じ空間で生きながらほとんど接点の無い別の「世界」ができてしまっているという一つの「問題提議」として捉えることもできます。

 ひととおり読み終わって、ホームレスの人たちの生き方の方が(本人たちが望むにせよ望まないにせよ)一般社会で暮らす人たちの生き方よりもある意味自由だと思いました。

 この本は、路上でビッグイシューを販売している販売者からも購入できるそうです。


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カテゴリー:詩集

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