読書の時間 #397
秘島図鑑
清水 浩史 河出書房新社 (2015)
2016-2-10
日本は島国といいますが、いったいどれだけの島が存在するのでしょうか。
Wikipediaによると約6,800ほどあるのだそうですね。
そんな数々の島の中でも、普通の人が行くことができず好奇心をくすぐる島、「秘島」を特に選りすぐって紹介してます。
それぞれの島について、位置や大きさ、外観の写真、島の特徴などの解説で説明していますが、何といっても興味深かったのは、それぞれの島がたどった歴史ですね。
紹介されている島のほとんどは人が住んでいませんが、噴火による島民の避難でそのまま無人になった島、資源の採取により人が住み始めたが枯渇により無人になった島、人が立ち入った記録が無い島、あるとされてきたが実際は無い(とされる)島など、興味をそそられます。
「普通の人が行けない島」ということなので上陸した状況というのが語られないところが残念ではありますが、それぞれの島についての説明を読んで、この感じ、何かに似ているなあ・・・と思ったら、廃墟とか廃線などに漂う「人に見捨てられた」感がこれら「秘島」にも感じられることに気づきました。
人が住もうにも住めない、あるいは住んだことがあったけどもう住めない、または一般の日本人は住めない、島々。
中でも私がもっともぐっときた島は、「横島」という島。
写真を見ると、海の中から岩の頭がいくつか出ているだけですが、この島がかつて炭坑の採掘でにぎわい、約700人あまりが済んでいたというからびっくり。土砂の流出や沈下で沈んでしまったということで、そんなことが現実にあるのか驚きました。
これらの島々、「秘島」というよりは「孤島」という感じが近い気がしました。
カテゴリー:日本の文化と歴史