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#19

手業に学べ 心

塩野米松 筑摩書房


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 伝統的な職人の技の数々。

 ハンゾウ(木鉢)やアケビ蔓細工、藁職人など、今は工業製品に取って代わられてしまったもの、機械化により需要が少なくなっているもの、もともと需要が少なく細々と受け継がれているものなど、様々な種類の手技が紹介されており、こんな仕事が世の中にあるのか、と驚きます。しかも全て、自然の恵みを利用したもの。

 インタビューから見える職人たちの姿は、本当に手間をかけて一つ一つ丁寧に仕事に向き合う姿、まさに根気という言葉がぴったり来るものです。
 皆さん謙遜して「自分はこれしか出来ないから・・・」のようなことをおっしゃいますが、そこにはプロとしての自尊心がしっかりと滲み出ているのです。

 これらの技は、おそらく何百年もかけて培われてきたものですが、こんな神秘的な技の数々を、私たちは便利さと引き換えに失いつつあるのです。とても惜しいことと言わざるを得ません。
 あと何十年で石油が枯渇する時代が来るでしょう。その時にこれらの技が受け継がれていれば再び役に立つかもしれないのですが、それもまた今の時代では風前の灯。これらの技が一つ失われる度に、人類再起の手段がまた一つ減ることでしょう。

2011-7-20

カテゴリー:伝統技術日本の文化と歴史

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