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#68

大東京写真案内

博文館編集部 博文館新社 (1990)


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 タイトルの通りの本ですが、これは1933年に発刊された本の復刻版です。
 まあ、簡単に言うと、昭和8年の東京観光ガイドブックです。東京35区(今は23区ですけどね)の各区の見所が載ってます。

 白黒ながらも写真満載、航空写真も忍ばせるという贅沢さ。例えば、有名どころの東京駅、帝国ホテル、靖国神社、ニコライ堂、銀座、歌舞伎座 など今も健在の施設の当時の姿の写真がこれもかというくらい載っておりますが、一方で周辺地区では商店街や運河なんかを取り上げたりして、今のように娯楽施設が少なかった当時の名所がどんなものか、その様子を垣間みることができます。また、「著名ビルとその坪数」(丸ノ内が坪数トップ)や「大東京一番くらべ」(例:一番高い建築は国会議事堂)などのミニデータもなかなか魅力的です。

 復刻版ですから、本文の文体も当時のまま。また、例えば大森駅前の大森銀座商店街なんかは、「・・・流石この辺りに住む人種の階級を反応して、新興小銀座のAクラス。・・・近くの馬込界隈のインテリ級のマダム達の足を食ひとめようと努力をさをさ怠りない。」(そうだったのか!)なんて名文をさらりと書いたりしてます。

 それから、江戸時代に描かれた風景と比較して「こんなに変わりました」みたいな紹介をするページなどもあります。例えば浅草なんかを見ると「・・・仁王門に至る所謂仲見世は、・・・その桃色のコンクリートの建築を見てはやはや興ざめの感なきにしにも非ずである。」などと書いており、変わりゆく良き風景を憂いているあたり、今も昔も変わらないなあと思ったりします。

 当時の東京観光の気分、味わえます。


2011-11-21

カテゴリー:日本の文化と歴史

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