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#226
娘は男親のどこを見ているか
岩月 謙司 講談社
いやー、このタイトル、反則でしょう。
娘を持つ男親なら誰でも絶対気になる話。
父親に対する娘の心理。それを各年齢、そしていろいろなシチュエーションから解き明かしてゆきます。
岩月さんは動物行動学の先生。ですから、この「父」と「娘」のいろいろな心理的な関係をそういう視点から分析しており、ここで解き明かされる内容は自覚の無いものもあるそうなので、女性によっては「えー、そうかな」と思うかもしれません。
「娘」は「父」に疑似恋愛をし、男性というものを学習するようです。
「娘」は「父」に安心感を求め、その安心感を感じて育った娘はそれを成功体験としてとらえる。娘が恋愛や結婚相手として選ぶ相手は、父親がモデルになる。愛情が不足し、成功体験を得られなければ、恋愛にそれを求めて「父親探し」をしてしまう。
いやいや、こんなに娘にとって「父」というのがこれほどまでに重要な位置づけであるとは思いませんでした。たとえ将来「娘」が結婚したいという男性に「どこの馬の骨かわからない奴に娘をやれるか!」と啖呵を切ったとしても、それは「父」の責任だということです。
「父」と「娘」の関係だけでなく、「娘」の成長に深く関わる「夫」と「妻」の関係についても言及します。お互いに対する感じるささいな不満は、実は自分のそれぞれの「親」に向けられたもの、というのは興味深いところです。それほどに、親が自分たち夫婦の関係に影響するとなれば、子どもへの愛情もしっかり与えなければいけませんね。
私が特に印象に残った言葉。
「夫が妻を愛していると、子どもは親を尊敬し、親の言うことを聞くようになるものです。特に娘は、母親の心が安定しているのは夫(父親)が愛しているからだ、ということを鋭く見抜きます。娘が尊敬するのは、母親を深く愛している父親なのです。」
2013-3-15
カテゴリー:思想・哲学・心理/暮らしと子育て
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