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#245
反教育論 猿の思考から超猿の思考へ
泉谷 閑示 講談社
いやいや、何とも気になるタイトルですが。
教育とは何となく「正しく育てる」ことという意味でとらえていましたが、その「教育」が子どもをダメにするというのですからどういうことか?と思ってしまいます。
この本は「教育学」から語る教育論というより「精神心理」の立場から語ったものですが、とても参考になりました。
私たちが「教育」の名のもとで、子どもたちをどれだけ縛りつけ、それぞれの子どもの本来の能力をつぶしてきたか。
「よりよい」教育によって将来そこそこ稼げたり、豊かな生活を送ることができるかもしれません。でもしかし、ほんとうにそれで本来の人間らしい生き方をしていくことができるのか。
過去の名文や様々な実例をもとに、教育によりどのような弊害が現れるのかを解説してくれます。
『つまり、子供に「教える」内容や方法について思案をめぐらすことよりも、まず私たちは「子供は大人たちの言うことに従うのではなく、大人たちの在りようをモデリング(模倣)する」という大前提を再認識しなければならない。』・・・
『人間は「経験」によって真に学び成長するものであり、最大の「経験」はむしろ「失敗」や「無駄」、あるいは「愚かさ」によってもたらされることの方が多いのではないか。』・・・
子どもが自発的に学び、いろいろな経験をし、自ら考えること。「こうでなければいけない」と教え込むのではなく様々な一面を許容してあげること。
それには親も子どもへの接し方を改めなければなりません。
だからといって教育が不要だと思うわけではありませんが、何のためにそれを行なうのかをよく考えた上で教育というものに接するべきだと気づかされました。
2013-4-30
カテゴリー:暮らしと子育て/思想・哲学・心理
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