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#256

遺伝子組み換え食品の真実

アンディ・リーズ 白井 和宏 白水社


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 おぞましいほどの、遺伝子組み換え作物(GMO)をめぐる世界。

 GMOについての情報は、日本では本当に少ないと言っていいのではないでしょうか。(テレビは見ていないので分かりませんが)少なくとも、新聞でこれについて報じられているのを見たことがほとんどありません。

 しかし、世界では、このGMOをめぐる熾烈な戦いが行われていました。

 例えばGMOには、雑草を取る手間を省くためある作物だけに耐性を持たせたもの、害虫がある作物を食べようとすると自然に毒素を出すもの、などなど、様々なものがあります。これらは消費者のための改良ではなく、生産者側のための改良といえます。

 これらGMOを生産するバイオテクノロジー企業はこれらが人に健康被害を与えることは無い、としていますが、それが公正に評価されているとは言えません。

 GMOを開発している巨大なグローバル・バイオテクノロジー企業の多くは活発にロビー活動を行い、政府機関内に献金とともに人を送り込んで自社に都合の良い政策行ってもらい、研究者には巨額な資金を提供して自社に都合の良い研究をしてもらう。訴訟対策のために裁判官まで丸め込んでいる例があるというのにはびっくりしました。
 と同時に、発展途上国の国に対しては様々な援助と引き換えに「作物の生産を増やす」という触れ込みでこれらGMOを広めてもらう。

 しかし、このGMO、生産者に高いライセンス料を払わせ、さらにその作物と抱き合わせで専用の農薬を購入させるなどでこれらの作物を生産した多くの農民の財産を破綻させ、あるいは農薬による健康被害を被らせるのです。
 つまりこれらは、生産者のための改良ではなく、これらバイオテクノロジー企業のための改良であったわけです。

 かなり多くの情報が詰まっており、読み応えのある本です。

 日本では報じられていないようですが、ここ数年、農水省により急激に多くの遺伝子組み換え作物が認可されるようになりました。世界の多くの国ではSTOP!GMOでデモなどで声を挙げていますが、この日本ではGMOの何たるものかすら知られていないことは本当に心配なことです。

2013-6-22

カテゴリー:食と農科学技術世界の社会問題

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