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#258

さらば、食料廃棄 捨てない挑戦

シュテファン・クロイツベルガー バレンティン・トゥルン 長谷川 圭 春秋社


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 お店で売られている食品。全てが売れるわけではありません。ある期間が過ぎたものは棚から下げられ、廃棄されます。

 あるいは、スーパーなどで買って消費期限、あるいは賞味期限が過ぎた食品。
 私などは少し過ぎたくらいでは食べてしまいますし、多くの家庭でも同じだとは思いますが、ついつい買いすぎるとそのうちいくつかは食べずに処分、ということがあると思います。

 ちょっとづつのように見えるその食料廃棄が、実はどれだけ大きな問題であるかを、この本では教えてくれます。

 私たちが、消費・賞味期限が切れたといって食品を捨てるという行為が、全世界の食料事情につながっていました。


 「ヨーロッパとアメリカでの余剰と廃棄を半分にするだけで、世界の飢餓を撲滅するために必要な量の三倍の食糧を確保できるのだ。」


 私たちの便利さのために、これらの国の職や暮らしが圧迫されているという事実。

 私たちが見てくれのよい食品を求め、多くの品揃えを求め、必要も無い食品を気まぐれでつい買ってしまう、このことのために、自分たちが食べるわけでもない食品を生産し輸出される発展途上国の食品の多くが無駄に捨てられ、あげくの果てに先進国で生産しすぎた食品は補助金のおかげで発展途上国に安く売り渡され、現地の農業が打撃を受ける。

 特に日本は、食料の多くを輸入に頼っています。その影には輸出する国に住む人たちの犠牲の上に成り立っているのかもしれない、という想像が必要でしょう。
 もちろん輸入した食料にはそれなりのお金を払っているので問題ないという考え方もありますが、そこにある現地の人たちの本当の暮らしを見ようとしなくてもいいのでしょうか。

 日本や欧米では普通にみられる食料廃棄が、世界全体で見たらどれだけ異常なことか、この本を読むとよく分かります。

 そして、ドイツを初めとしたいくつかの「棄てないための取り組み」も紹介してます。それは今の生活を脅かすものでもない、ささやかなこと。いままでの習慣をちょっと変えることでできること。

 食べ物を捨てるということが、世界中にどれだけの影響を及ぼすかがよく分かりました。これからの時代、無駄を少しでも無くすよう少しづつ変えていかねば、そう思いました。

2013-6-30

カテゴリー:食と農世界の社会問題

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