#268

亀田 龍吉　世界文化社

　その名のとおり雑草の呼び名について詳しい本かと思ってましたが、実際は呼び名についての解説はボリュームとしては少なく、ちょっとがっかりでしたけれども、何といっても良かったのは、それぞれの植物の全身写真が掲載されおり、それがとても美しいこと。

　植物の全身を掲載した本は他にもあります。図鑑としては「 花と葉で見わける野草 」というものもあり、こちらも亀田さんの本ですが、もっと実用的な本。一方、図鑑ではありませんが芸術的な視点で撮影したものにかわしまよう子さんの「 草手帖 」なんて本もあります。

　でもこの本に掲載されている草の写真は、図鑑的ではあるけれど、「写真館に行って撮ってきました！」というように美しい。
　白の背景にうっすら影がついて立体感があります。特に色は、採ってその場で撮影したのではと思うほど自然な色。あれこれ欲張らずに全身をしっかり撮っているので改めて「こんな形をしているのか」とか、ちょっと再発見した気持になりました。

　畑にはびこりあちこち絡みつく、にっくきヤブガラシの花なんか、すごく可愛らしい。
　植物の特徴を写真でしっかり捉えた本だと思いました。

2013-8-4

カテゴリー：自然科学