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#329

避難弱者 あの日、福島原発間近の老人ホームで何が起きたのか?

相川 祐里奈 東洋経済新報社 (2013)


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 福島第一原発事故で避難したのは健常者だけではありません。
 老人ホームなどで暮らし、自らの力で動くことが困難なご高齢の方々もまた、避難しなくてはなりませんでした。

 相川さんは新聞社に勤務、福島原発事故の国会事故調の調査員として参加後、フリーとなって高齢者等の避難について調査を続けました。

 一般の健常者でさえ避難が難航した原発事故避難。自力で動くことが難しい方たちの避難は困難を極めました。
 普通のバスでそのまま座って避難することができない人が多くいた。
 入所者の受け入れ先が見つからない、見つかっても介護が思うようにできず施設を転々とすることになる。
 施設の職員は自らもその家族とともに避難はできず、入所者とともに避難するか施設を辞めるかの決断に迫られる。
 職員はバラバラとなり、入所者の世話で寝る暇も無く。
 ・・・

 原発が所在する自治体、その付近の自治体及び関係機関の関係者は必読の書でしょう。

 例えば、「利用者の受け入れと共通課題」として、こんな課題が掲げられています。
1)経管栄養、吸引、徘徊している人は受け入れにくい
2)利用者の情報がない
3)特養以外の高齢者福祉施設への避難は短期間に
4)想定外だった受け入れの長期化
5)定員外の受け入れと居室の工夫
6)避難施設から職員の受け入れは期待できない
7)待機者や地域住民への配慮を

 原発事故に限らず、他の大規模災害にも共通することなのかもしれません。
 これらのことは、避難時はどこそこに何百人収容などと、数字合わせで解決する問題ではありません。
 考えられるあらゆる事態を想定し、このような被害がもう起こらないことを願いたいと思います。

2014-7-9

カテゴリー:原爆・原発・原子力福祉政治と行政

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