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#331
神の島 沖ノ島
藤原 新也 安部 龍太郎 小学館 (2013)
玄界灘に浮かぶ小さな島、沖ノ島。
これまで何百年も、大陸と九州を結ぶ航海の安全を願う神の島として祀られ、そのためにおびただしい数の宝物が埋まり、海の正倉院と呼ばれているそうです。
門司生まれの藤原さんでさえ知らなかったその島と、実は藤原さんは接点があったことが分かります。
それはまだ藤原さんの家が旅館を営んでいた子どもの頃、ある客が病にかかり、その病の原因が客が持っていた「玄界灘の宝の島から持ってきたとされる茶碗」ではなかろうかという話があったこと。
そして、藤原さんは沖ノ島へ向かいます。
島の周囲の波はいつも荒く、その島の宝物を調査に行った学者は短命に終わり、普段は神職だけが交代で常駐するような、そんな島へ。
あまり詳しく知られていないこのような島がまだこの日本にあったというのも驚きです。
藤原さんが撮った、島や宝物の写真は、過去の人々の切実な願いが堆積し自然や時間の流れと同化しているようにも見えました。
この島は、過去何百年も淡々と続けてきた「神の島」としての役割を、これからも続けていくのでしょう。
遠くからこの国を見守るように。
2014-7-22
カテゴリー:日本の文化と歴史/写真集
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