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#347

謎の独立国家ソマリランド

高野 秀行 本の雑誌社 (2013)


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 アフリカにソマリアという国があります。内線が長く続く国ですが、実はそこに、民主的な国がありました。

 それが、ソマリランド。

 正確には「国」ではなくソマリアの一地域なのでソマリランドとしてニュースに取り上げられることはあまり無く、謎の多い場所のようでしたが、高野さんがソマリランドに取材に渡り、その様子を伝えています。

 ソマリアという国は大きくは南部ソマリア・プントランド・ソマリランドの3つに分かれ、よくニュースに取り上げられるのは内線が続く南部ソマリアのようですが、ソマリランドはなかなか高度な民主主義で成り立った、まさに独立国のようなところのようです。
 議会は二つあり、議会の政党は三つに限られるがそれも選挙で選ばれる。しかも氏族で偏りのないように工夫された仕組みがあり、その他大統領も選挙で選ばれる。氏族からの監視もある・・・などの公平性を保つ為のシステムがあり、また先進国並みに治安も良いようで、プントランドや南部ソマリアにも渡った高野さんが描いたそれぞれの地域の町の様子の比較でそれが際立ちます。

 ここまで両極端な状況の地域が同じソマリアという国に存在している、というのが何だか不思議で、ソマリランドがアフリカ大陸にぽっかりと浮かぶ島のようにさえ見えます。

 このような国に単身渡ってよくもまあここまで調べたなあと思います。
 ちょっと紀行文のような感じもあり、行ってみたいけど行く勇気はない、何か高野さんの土産話を聞いているようで、旅先で起こる想像を超えるような数々の出来事は面白くもあり、こんな世界があるのかと何か考えさせられるものでもあります。

2014-10-30

カテゴリー:世界の文化と歴史世界の社会問題

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