過去の記事
#353
なぜ、宮崎の小さな新聞が世界中で読まれているのか
松田 くるみ ごま書房新社 (2014)
みやざき中央新聞。
様々な方が主に講演で披露した感動する話・いい話・ためになる話を紹介する、週刊の新聞です。
私も宮崎に越してから購読を始めましたが、この新聞の存在を知ったのは、実は東京に住む友人の紹介でした。
このような新聞が宮崎から発信されているというのも不思議な気がしますが、この本で紹介されている、今のスタイルのみやざき中央新聞になるまでの話は感動的でした。
もともと、「特定の政治家の悪口や行政の裏情報などを報じるヤクザな新聞」として知られていた宮崎中央新聞を、松田さんの夫であり編集長の水谷もりひとさんが引き継いだ際に「感動した話を伝える」という方向に転換し、松田さんは生まれ変わったみやざき中央新聞を手に、宮崎の会社を一軒一軒訪ね営業を続けます。それぞれの訪問先に見本として1ヶ月分の新聞を置いて。
そのうちこの新聞の購読者は少しづつ増え、この新聞の存在が人づてに伝わるようになり、やがてみやざき中央新聞のファンは宮崎だけでなく全国へと広がっていきます。
純粋に「感動する話を伝えたい」という気持ち、それがじわじわと毛細管現象のように広がっていったのでしょう。松田さんと、そして松田さんを影で支えた水谷さんののひたむきな情熱が伝わってきました。
特に派手なエピソードがある訳ではありませんが、周りの人たちが次々とこの小さな新聞社を応援するようになるまでの、小さなエピソードの一つ一つが、輝いて見えました。ただただこの二人の人間性が、このような良き多くのつながりを作り出したのでしょう。
そんな気がしました。
2014-12-13
カテゴリー:経済・ビジネス/生き方
*** TOP
***ツブヤキ
記事一覧(2016年3月11日まで)
(⇒それ以降はこちら)
▶カテゴリー
つぶやき/こどもとともに/原発/ライフスタイル/旅と山歩き/芸術のあたり/フィルム/気になる人たち/宮崎へようこそ/平和を 安心を 自由を
*** 読書の時間
記事一覧(2016年3月11日まで)
(⇒それ以降はこちら)
▶カテゴリー
宗教・信仰/思想・哲学・心理/生き方/偉人伝・自伝/世界の社会問題/世界の社会事情と外交/政治と行政/福祉/日本の社会問題/世界の文化と歴史/日本の文化と歴史/建築・造園/まちづくり・コミュニティ/経済・ビジネス/自然科学/医療と健康/地球の環境と資源/自然環境と災害/科学技術/原爆・原発・原子力/食と農/暮らしと子育て/交通/伝統技術/芸術論/画集・作品集/写真集/旅と山歩き/詩集/小説/評論・エッセイ・ルポ/子どもの本
▶おすすめの本