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読書の時間 #384

古事記

池澤 夏樹 河出書房新社 (2012)


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 宮崎に住むと、日本神話の存在をより身近に感じます。
 県内各地に日本神話にまつわる多くの地名、言い伝え、郷土芸能などがあります。

 その日本神話を編纂したものが日本書紀と古事記といわれますが、宮崎の歴史についての本を読むと必ず出てくるのがこの「古事記」。
 アマテラスや海彦山彦など有名どころの話は宮崎の郷土書籍の多くに簡単に紹介されていますので、そのもととなる古事記を読んでみたくなりました。

 しかし、国語や歴史の科目が苦手だった私には壁が高い・・・
 そうしたところ、私もよく著書を読み親しんでいる池澤夏樹さんが古事記の訳本を出されたということで読んでみました。

 一番はじめは皆さんご存知のように、イザナキ・イザナミから国が造られ、そして多くの神々が生まれていきます。
 耳慣れない固有名詞が多く登場するので素直に読むとところどころでひっかかってしまい読むのに苦労しますが、ある程度そういうところを読み飛ばし、ストーリーだけを追っていくとまあ面白い。
 昔の神々はずいぶんと破茶目茶だったというか、何でもアリだったんですね。世を照らす光が閉じ込められたり、火の中で子どもを産んだり。

 古事記は上・中・下の3つの巻からなり、神話の有名なストーリーは上巻に収められ、中・下巻は初代天皇である神武天皇から第33代天皇の推古天皇までの歴代の天皇についての紹介のようなもので、それぞれの天皇にまつわるエピソードを紹介していますが、上巻の神様たちの話に対し、こちらはぐっと人間らしいお話。

 そして全編に渡って様々な「歌」が詠まれ、昔の豊かな情景が浮かび上がります。
 こんなに古くから日本では歌というのが盛んだったのかと改めて思いました。

 私のような国語の苦手な人は1回読んだだけではその空気感を読み取るのが精一杯かもしれませんが、それでも池澤夏樹さんの訳は親しみやすく、原著から大きく離れることなくなるべく読み手が内容をイメージしやすいよう配慮されています。

2015-9-27

カテゴリー:日本の文化と歴史

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